〇頭部外傷・高次脳機能〇
<頭部外傷>前頭骨陥没骨折(ぜんとうこつかんぼつこっせつ)、外傷性てんかん
頭蓋骨骨折、脳挫傷の被害者には、外傷性てんかんの予防的措置として、一定期間、抗けいれん剤が投与されており、ほとんどのケースで外傷性てんかんを発症することはありません。
しかし、「頭蓋骨陥没骨折」後に限っては、外傷性てんかんが発症する傾向が高くなります。
外傷で、脳の実質部に残した瘢痕は、手術による摘出以外、除去することはできません。
この瘢痕部から発せられる異常な電気的信号が、周辺の正常な脳神経細胞に広がってけいれん発作を起こす状態を、外傷性てんかんと呼んでいます。
強直性全身痙攣発作
発作を繰り返すことにより、周辺の正常な脳神経細胞も傷つき、性格変化や知能低下の精神障害を来し、高度になると痴呆・人格崩壊に至ります。
間代性全身痙攣
深刻な障害ですが、治療の基本は、発作を抑える抗てんかん薬の内服、つまり、薬物療法です。
内服で発作を抑えられないケースでは、発作を生じさせている脳の部分切除がなされますが、このケースでも、術後は長期にわたる薬物療法が続けられます。
内服を続けながら、脳波検査にて、てんかんを示すスパイク波・鋭波の消失を待つのです。
また、抗てんかん薬を内服中の女性は妊娠を避ける必要があります。