足指の基節骨、末節骨が黒ずんで見えますが、これがSudeck骨萎縮です。
ドイツのズディック外科医が1900年に発表したもので、外傷後の急性反射性骨萎縮のことです。
ズディック骨萎縮は、XPでは、関節軟骨や骨質が保たれたまま高度な骨萎縮が認められます。
受傷後、比較的短期間の内に関節部の疼痛、関節の拘縮、血行障害を訴え、皮膚に特有の光沢を示します。この特有の光沢を、医学的には浮腫状の腫脹と呼んでいます。
XPで著しい骨萎縮が認められ、手関節、下腿部、踵骨の骨折に好発しています。
要するに、骨梁も骨皮質も薄く、スカスカに写し出されるのです。
このことを、医学では、関節を中心に帯状脱灰現象を認めると言います。
治療は局所の理学療法、痛みを緩和する目的でステロイド剤の内服、血行障害等自律神経障害の緩和を目的とした交感神経節ブロック、交感神経節切断が行われますが、難治性です。
骨折に起因した難治性疼痛は、CRPS Type?、カウザルギーが後遺障害等級の対象となります。
症状が似ていることから、これをRSD(反射性交換神経性ジストロフィー)として誤った説明をするものもありますが、カウザルギーが神経も巻き込んだ損傷に関連するCRPSであるのに対し、RSDは神経損傷のない組織損傷に関連するCRPSであり、両者はちがうものです。
X線で見ると骨からカルシウムが抜けたため骨に斑点状に黒い部分が見えます。
詳細は、神経系統の機能の障害、CRPSで説明します。