尺骨々幹部骨折と橈骨頭脱臼が同時に発生したものをモンテジア骨折と呼びます。
事故直後は、尺骨骨折の痛みが強く、肘関節での橈骨頭脱臼が見逃されることが多いのです。
橈骨頭の前方脱臼では、前方を走行する後骨間神経を絞扼・圧迫することにより、指を伸ばせなくなり、下垂指という変形をきたすことがあります。
治療は、成人であれば、骨折が不安定なこともあり、オペによるプレート固定が行われます。
受傷から6カ月以上の陳旧例では、尺骨の骨癒合は完成するも、橈骨頭の脱臼だけが残存しており、肘関節には可動域制限が認められる状況です。
これを治癒させるには、尺骨の過矯正骨切りオペを実施して、橈骨頭の整復を行います。
橈骨頭の変形が著しいときは、橈骨頭切除術が実施されています。