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〇下肢・足趾〇
腓腹筋断裂 肉離れのポイント





ふくらはぎは、下腿骨、脛骨+腓骨の後方に位置するのですが、下腿骨後方は、コンパートメントと呼ばれる隔壁で、浅部と深部に分けられています。
ふくらはぎは、浅部にある筋肉、腓腹筋とヒラメ筋で構成されており、この2つの筋肉は下腿三頭筋と呼ばれています。下腿三頭筋はアキレス腱に連結しています。
 
※コンパートメント 筋肉を覆う筋膜組織で構成された隔壁で筋間中隔とも呼ばれます。
 
事故受傷から10日目の被害者が松葉杖で相談されました。
原付を運転、信号待ち停止中に、軽トラックの追突を受けたもので、0:100、傷病名は、右ふくらはぎの打撲、頚部捻挫、腰部挫傷です。
自宅近くの整形外科に3回通院、右ふくらはぎの痛みを訴えても、「肉離れだから、湿布を貼ることが治療、なに、2週間もすれば治る。」そんな反応で、相手にもしてくれない。
本当に、湿布だけで治るのでしょうか?
医師でもない私に、質問されたのです。
 
右ふくらはぎは、内出血で青黒く変色しており、右下腿周径は左に比較して7mmの筋萎縮、右腓腹筋内側にかすかな陥没が認められ、その部分を押すと、激痛を訴えました。
「右腓腹筋が断裂しているのではないか?」
不安を感じて、スポーツ外来に特化した整形外科を紹介しました。
エコー検査で、右腓腹筋の断裂が確認され、傷病名は、右腓腹筋の断裂となりました。
患部の炎症を抑える必要から、鎮痛消炎剤の内服、筋肉の過緊張を和らげる徒手療法、筋肉の働きを助けるテーピングがなされ、5日後からは筋肉を柔軟、強くして再断裂を予防する運動療法が開始されました。松葉杖がとれ、就労復帰したのは、受傷から3週間後です。
幸い、後遺障害を残すこともなく、完全治癒しました。







                       腓腹筋、ふくらはぎの肉離れ
              重傷 膝を曲げてもストレッチで痛み、つま先立ちができない。
                中程度 膝を曲げていれば、ストレッチ痛が軽度である。
                      軽傷 ストレッチ痛が軽度である。






                     大腿後面、ハムストリングの肉離れ




                       大腿前面の大腿四頭筋の肉離れ





腓腹筋断裂における後遺障害のポイント
 
1)腓腹筋の挫傷、腓腹筋の断裂は、分かりやすく言えば、ふくらはぎ部分の肉離れです。
 
「肉離れだから、湿布を貼ることが治療、なに、2週間もすれば治る!」
こんな対応で放置されなければ、重傷であっても、3カ月以内に完治するものです。
 
2)医師の診断も、ときには疑ってみる
日本においては、医師と患者の関係は、従属的、盲目的です。
しかし、交通事故は、被害者だけの問題では済まないのです。
社会復帰が遅れ、職場に迷惑をかけると、あなたの評価はダダ下がりとなります。
しかし、この要素は、損害賠償では考慮されていないのです。
交通事故における被害者の最大の目標は、早期社会復帰にあります。
であれば、医師の治療にも、神経質でなければなりません。
 
 


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