健側の目に比較して、少し目が柔らかい=眼圧が低い。
目玉がパンクして、中身が漏れ出た分、眼圧が低くなっている。
眼球破裂とは、交通事故で、強い外力が眼球に加わり、角膜や強膜が破裂し、中の硝子体やブドウ膜が、傷口から脱出している状態です。
受傷直後から、視力の低下、目の充血、浮腫、眼痛などの症状が出現します。
片目の眼球破裂では、健側の眼球にも同様の症状が現れることがあります。
異物の混入、ばい菌による感染など、眼球に付着する異物を早急に除去しなければ失明する可能性もあり非常に危険な状態です。
適切な治療が行われても、ほとんどで、視力の低下を残します。
細隙灯顕微鏡検査、超音波検査、CT検査などで眼球破裂の部位、異物混入の有無、合併症の有無がチェックされ、オペに入ります。
眼球破裂は、眼科で扱う外傷のうち、最も重篤なもので、穿孔創が小さいときは、治療用コンタクトレンズを使用します。穿孔創が大きいときは、抗生物質の点滴などを行いつつ、局所麻酔、全身麻酔下で強膜、角膜の縫合術を行います。
穿孔創から、ぶどう膜、水晶体、硝子体などの眼内組織が脱出し、眼内炎や眼内の諸器官の障害が強いときは、失明することも多くなります。
できるだけ早く、傷口を閉じて感染予防に注意し、同時に外傷性白内障、硝子体出血、網膜剥離を合併するときには、それぞれに対するオペも加えて行わなければなりません。
時期を逃すと、視力の回復は望めなくなってしまいます。
眼球破裂における後遺障害のポイント
1)私の経験則では、ほとんどで眼球摘出、1眼の失明となっています。
1眼が失明し、または1眼の視力が0.02以下になったものでは、8級1号が認定されます。
2)交通事故による眼球破裂では、後遺障害が目、視力の低下だけではなく、頭部外傷後の高次脳機能障害、目周辺の顔面の醜状痕を合併することが大半です。
つまり、立証は、より高度なものであり、丹念に行わなければなりません。