交通事故の衝撃をまぶたに受けて、網膜や脈絡膜に出血を起こすことをいいます。
特に、黄斑部に出血を起こすことが多いのですが、黄斑部は、267で解説していますが、モノを見る最も大切な部位であり、出血すると、出血が吸収されたとしても、黄斑部の視細胞が損傷され、中心部だけが見えない中心JL暗点と視力低下を残すことがあります。
治療は、安静と止血剤や消炎酵素剤を投与しますが、視力改善は困難で、オペもできません。
黄斑部以外の出血では、程度が軽ければ、後遺症を残すことなく治癒しています。
治療は、止血剤や血管強化剤などの投与や、レーザー光での凝固術が行なわれています。
レーザー光凝固術は、出血部の網膜を焼き固めて、網膜の血流をスムーズにし、出血の吸収と再出血を防止させるために有効なオペですが、改善が得られないときは、硝子体切除術を行ない、出血で濁った硝子体を取り除いて、視力回復を試みます。
硝子体は眼球の丸みを保つために必要な組織であり、切除では、代わりにシリコンオイルやガスが注入されています。
後遺障害は、視力低下がポイントとなります。