〇下肢・足趾〇
<足根骨の骨折>有痛性外𦙾骨(ゆうつうせいがいけいこつ)
外𦙾骨とは、足の内側にある過剰骨もしくは、種子骨の1つで、健康体の人の15〜20%位に認められていますが、骨の出っ張りが見られるだけで、痛みの症状がなければ、特に問題はありません。
なお、過剰骨とは、普通にはない余分な骨と定義されています。
上のイラストは、足の内側部で、内側の骨の端に外𦙾骨があります。
舟状骨粗面という足の内側に、出っ張った部分があるのですが、その部分に後𦙾骨筋(こうけいこつきん)という筋肉がついており、この筋肉は、足の土踏まずを維持する上で重要な役割を果たしており、この筋肉が緊張することで、足のアーチが保たれているのです。
有痛性外𦙾骨による疼痛は、捻挫や繰り返される後𦙾骨筋の引っ張り作用で、外𦙾骨部分が舟状骨の部分から剥がれ、その部分で炎症を起こしたことにより発症しています。
局所の安静下で、鎮痛剤、温熱療法などの保存療法で疼痛の改善を目指します。
症状が長期化するとき、繰り返し疼痛が出現するようなときは、ギプス固定や足底板を装着させるリハビリ治療が行われます。
大多数は保存療法で改善が得られていますが、4か月以上の保存療法を行っても、症状の改善が得られない、また、なんども再発を繰り返し、日常生活に支障があるときは、手術が選択されています。
オペは、外𦙾骨を摘出、舟状骨突出部も一部骨切りを行い、最後に支持組織である後𦙾骨筋腱と底側踵舟靱帯の再縫着を実施します。
これにより、運動痛は消失し、後遺障害を残すことはありません。