種子骨は、親指付け根裏の屈筋腱内にある2つの丸い骨で、種子骨の周りには筋肉や腱が集まり、これらの筋肉や腱が効率よく動くことをサポートしています。
種子骨の骨折は、歩行中に交通事故による外力で踏み込みが強制されて、母趾球を強く打撲したときに発生しています。
症状が進行すると足を地面につけただけでも痛みがあり、歩行も困難になってきます。
治療としては、足を安静下におき、足の裏にかかる負担を軽減するために、柔らかい素材のパッドを靴の中に入れて使用するようです。パッドは母趾球部がくり抜かれており、体重をかけたとき母趾球に圧力がかかりにくくなります。
大多数は、改善するようですが、効果が得られないときは、手術により内側の種子骨を摘出することになります。
足趾の骨折における後遺障害のポイント
1)打撲や捻挫で後遺障害が認定されることはありません!
脱臼や骨折、靱帯断裂など、
器質的損傷をCT、MRIの撮影で立証しなければなりません。
受傷から2か月以内に撮影した画像により立証できない場合、事故との因果関係が認められず、非該当となる可能性があります。
2)足趾の機能障害は、手指よりも厳しい審査基準であること
手指では、MCPあるいはPIP関節が健側(異常のない側)と比べて2分の1以下に制限されていることが、関節機能障害の認定要件でしたが、足趾では、このルールが適用されるのは親趾と第2趾だけです。
第3〜5趾は、完全強直もしくは完全麻痺でないと、等級の認定はありません。
認定基準に達していなければ、非該当となります。
※足趾の関節は、親趾では、指先に近い方からIP、MTP関節、その他の足趾にあっては、趾先に近い方からDIP、PIP、MTP関節と呼ばれています。
これが手指となると、親指では、IP、MCP関節、その他の手指にあっては、指先に近い方からDIP、PIP、MCP関節と呼ばれています。
3)現実的には、足趾の後遺障害は関節の機能障害よりも痛みの神経症状で14級9号あるいは12級13号の獲得を目指すことが多くなります。
12級13号であれば、骨癒合の不良もしくは変形癒合を他覚的に立証しなければなりません。
2方向のXPだけでなく、3DCTによる立証が有用のようです。
4)「日本足の外科学会」のインターネットサイトより、足の専門医の検索ができるようです。
専門医への早目の相談を検討する必要もあるでしょう。