Aの部分の骨折が「下駄骨折」、Bの部分の骨折が「ジョーンズ骨折」
「第5中足骨基部骨折」とは、小趾側の甲にある中足骨の根元が骨折したものです。
下駄が庶民の履物であった時代に多発した骨折であることから、「下駄骨折」と呼ばれます。
足部を内返しする捻挫で発症する外傷性骨折で、現在でも、足が捻転したときに、この骨折が比較的高頻度で発生しています。
この後に説明する「ジョーンズ骨折」の部位より足首に近いところを骨折します。
交通事故ではね飛ばされ、段差を踏み外す、また傾斜のある路面に転落し足を捻挫したときに、足関節の内反強制が加わると、第5中足骨基底部に付着する短腓骨筋腱が引き伸ばされ、その腱の牽引力と第5中足骨に加わる捻転力により、捻じ切れるような感じで骨折を生じます。
足関節の内反強制で骨折するため、足関節捻挫に注目され、この骨折が見逃されることもあるようです。
治療は、徒手整復できるものでは、4〜6週の固定を施行し、徒手では整復困難な転位が認められるときは、オペによる整復・固定処置が行われているようです。