交通事故における手の外傷は、高頻度で発生していますが、疼痛、変形、腫れなどの症状が軽いと診察されたときは、捻挫、打撲、挫傷などと断定、放置されるか、十分な治療が行われていません。
脱臼、亜脱臼であっても、整復が完了すると、その後のフォローもなく、放置されることが多いのです。
受傷直後、比較的症状が軽いと診察され、その後も漫然治療に終始した結果、保険会社が治療の打ち切りを決断した頃になって、後遺障害を相談されることが目立ちます。
これでは、いかにも手遅れ、後の祭りとなります。
手根骨骨折における後遺障害のポイント
1)よく目にする3つのパターン
?救急搬送された治療先で、手の専門医が診察したときは、先の異常を見逃すことはありません。
的確な画像検査で、骨折、脱臼、靱帯損傷が発見され、手術等、タイムリーな治療が開始されます。
となると、大きな後遺障害は期待できません。
しかし、劇的な改善で早期の社会復帰が実現できたのですから、これはこれで理想的な解決です。
でも、これは、ゴクゴク少数例なのです。
?手の痛みを訴えても、もう少し様子を見ましょうと、主治医から相手にされないとき、被害者のとるべき行動は、まっしぐらに専門医を受診することです。
これを、受傷から2カ月以内に実行する被害者は勝ち組、適切な治療が実施され、大きな後遺障害を残すことなく、早期社会復帰が実現できるからです。
?最悪なのは、ダラダラと意味のない治療を続け、保険会社から治療の打ち切りを打診された頃に、動き出す被害者は負け組となります。
この段階で骨折が発見されても、損保料率機構調査事務所は、被害者に対して、本件事故との因果関係の立証を求めることになり、立証ができなければ、非該当になるのです。
2)分からないときは、早期に、私ども交通事故に精通した弁護士に相談することです。
XP、CT、MRIの画像が読影でき、医療と弁護士のネットワークを完成させているのは、当事務所の最大の特徴です。
3)被害者の目指すべきは、早期社会復帰です。
交通事故では、予想を上回る衝撃を受けた結果、不可逆的な損傷を被ることがあります。
早期に専門医を受診しても、全員が後遺障害もなく治癒するのではありません。
ときには、後遺障害により、その後の社会生活で重大な支障を残すこともあります。
しかし、治療先の選択が正しければ、納得のできる治療と早期の社会復帰が実現できるのです。
ムチウチで6カ月も仕事を休んだ?
骨折後の遷延治癒で2年になるのに社会復帰が実現できていない?
こんな相談を受けることもあります。
これらの被害者が交通事故で失った社会的信用は、もう取り返すことができません。
怪我をしたことは、加害者の不注意であったとしても、治すのは被害者の責任であることを忘れてはなりません。