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肩鎖関節脱臼(けんさかんせつだっきゅう)





肩鎖関節とは鎖骨と肩甲骨の間にある関節のことです。

肩鎖関節脱臼は、肩鎖靭帯・烏口鎖骨靭帯の損傷の程度や鎖骨のずれの程度等に応じて、上記の6つのグレードに分類されています。

大多数はグレード?未満で、グレード?は、滅多に発生しないと言われており、私も、未経験です。

?・?・?では、主として保存療法が、?・?・?では観血術による固定が選択されています。

 

肩鎖関節脱臼による後遺障害のポイント

 
1)グレード?の捻挫では、後遺障害を残しません。
 
2)グレード?・?では、外見上、鎖骨が突出し、ピアノキーサインが陽性となります。




裸体で変形が確認できれば、体幹骨の変形として12級5号が認められます。

あくまでも外見上の変形であり、XP撮影により初めて分かる程度のものは非該当です。

ピアノキーサインが陽性のときは、男性は上半身裸、女性ならビキニ姿で、外見上の変形を写真撮影し、後遺障害診断書に添付しなければなりません。

 
鎖骨の変形と同じですが、骨折部に運動痛があるか、ないか ここが重要なポイントになります。

体幹骨の変形による12級5号では、骨折部の疼痛も周辺症状として含まれてしまいます。

つまり、疼痛の神経症状で12級13号が認定され、併合11級となることはないのです。

 
なんの痛みもなければ、変形で12級5号が認定されても、逸失利益のカウントはありません。

しかし、運動痛が認められていれば、10年程度の逸利益が期待できます。

変形に伴う痛みは、自覚症状以外に、鎖骨骨折部のCT、3D撮影で立証しています。

変形が認められなくても、肩鎖関節部の痛みで14級9号が認定されることもあります。

 

3)肩鎖関節部の靱帯損傷や変形により、肩関節の可動域に影響を与えることが予想されます。

こうなると、鎖骨の変形以外に、肩関節の機能障害が後遺障害の対象となります。

となれば、骨折部位の変形をCT、3D、靱帯断裂はMRIで立証しなければなりません。
 

患側の関節可動域が健側の関節可動域の2分の1以下とは、手が肩の位置辺りまでしか上がらないイメージで10級10号が、患側の関節可動域が健側の関節可動域の4分の3以下とは、手が肩の位置よりは上がるけれど、上までは上がらないイメージで12級6号が認定されます。

可動域は、鎖骨骨折を参考にしてください。


 
4)症状と後遺障害等級のまとめ




肩関節の機能障害と鎖骨の変形障害は併合の対象ですが、鎖骨の変形と痛みは、周辺症状として扱われ、併合の対象にされていません。

等級が併合されなくとも、痛みがあれば、それは後遺障害診断書に記載を受けなければなりません。
 


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