1)頭部外傷後の意識障害、もしくは健忘症あるいは軽度意識障害が存在すること
2)頭部外傷を示す以下の傷病名が診断されていること
3)上記の傷病名が、画像で確認できること
頭部外傷の傷病名 |
脳挫傷 |
急性硬膜外血腫 |
びまん性軸索損傷 |
急性硬膜下血腫 |
びまん性脳損傷 |
外傷性くも膜下出血 |
外傷性脳室出血 |
低酸素脳症 |
3要件の1つ、意識障害の存在は、最も重要なポイントですが、前回に詳細を説明しています。
ここでは、残りの2つの要件、傷病名ごとの特徴や、得られる画像所見を説明していきます。
高次脳機能障害の重症例であっても、1年を経過すれば、症状固定の時期を迎えます。
つまり、後遺障害を立証して損害賠償請求を行う、重大な局面に突入していくのです。
では、なにから着手すべきなのか?
それは、診断書に記載されている傷病名について、正しく理解をすることです。
高次脳機能障害に特有の、記憶喪失、記憶回路の損傷、遂行機能の障害、失語、聴覚、嗅覚の脱失、言語理解や認知の低下などの異常行動は、全て、傷病名を出発点としているからです。
傷病名を理解することで、必要な画像資料等が明確になります。
ここからは、頭部外傷を代表する11の傷病名について、画像を明示して説明します。