ほ乳類は、くびの長さに関係なく、キリンからカバに至るまで7個の頚椎を有しています。
参考までに、例外のナマケモノは9個の頚椎を有し、頭部を270°まで回転させることができます。
頚椎、cervical spineは、Cで表示、C1〜C7と呼びます。
さて、人間の頚椎も7つの椎体で構成されており、頭部を支える役目を有しています。
焼き場でお骨あげのとき、「仏様ですよ?」 と最後に喪主が拾い上げるのは喉仏、C2です。
脱線が続きましたが、外傷性頚部症候群の神経症状とは、左右いずれかの頚部、肩、上肢から手指にかけての痺れです。
痺れといっても、14級9号のレベルであれば、それほど深刻なものではありません。
ポイントは「重さ感、だるさ感、軽い痛み、しびれ感はありませんか?」などと自覚症状の範囲を拡大して、確認していくことです。
外傷性頚部症候群で注目すべきは、C5/6、C6/7の神経根に限られています。
脊髄から枝分かれをしたC5/6、C6/7の左右2本の神経根は、左右の上肢を支配しているからです。
C5/6右神経根が圧迫を受けると、右手の親指と人差し指に、C6/7では、薬指と小指に痺れが出現するのです。
XPやCTは骨を見るためのもので、神経根が確認できるのは、MRIだけです。
「受傷後に撮影したMRIで、C5/6/7の神経根の通り道が狭まっている」
「明確に圧迫を受けている」
これらが確認できたときは、自覚症状に一致した画像所見が得られたことになるのです。
後遺障害の獲得に一歩、近づいたことになるのです。
ですから、早期にMRIの撮影を受けてくださいと、申し上げているのです。
早期とは、受傷から2カ月以内です。
外傷性頚部症候群(ムチウチ)における後遺障害のポイント
1)MRIで注目すべきは、C5/6とC6/7です。
自覚症状に一致するMRI所見が得られるのは、C5/6/7であるからです。
2)4つの必要十分条件?
?車VS車の衝突では、30万円以上の物損、
?事故直後からの症状の出現、早期、2カ月以内のMRI撮影、
?6カ月間の真面目な整形外科通院、
?紳士的、常識的で信憑性が感じられる療養態度、
後遺障害では、上記の4つが重点的に審査されています。
4つが達成できないと、後遺障害の認定はありません。
3)損害賠償は、有能な弁護士に?
専業主婦でも、弁護士が交渉すれば、14級で320万円、12級なら735万円が期待できます。
なぜかというと、裁判で適用される支払基準で示談交渉を進めるからです。
後遺障害を確実なモノにしたいとお考えの被害者は、できるだけ早期に、受傷から2カ月以内に、MRIのCDを持参して、当事務所にご相談してください。