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急性副腎皮質不全 (きゅうせいふくじんひしつふぜん)について





急性副腎皮質不全は、副腎の外傷を原因としたステロイド・ホルモン、コルチゾール不足で起こります。
副腎は腎臓の上に位置しており、副腎がコルチゾールのような糖質コルチコイド・ホルモンを産生しないと、ヒトの身体は正しい免疫反応ができなくなるのです。
 
必要な副腎ホルモンがない人は、ストレスに負けることがあります。
ストレスがたまると副腎はコルチゾールと呼ばれるホルモンを生成します。
コルチゾールはストレスに対する身体の反応を支えるもので、骨の健康、免疫反応、食物の代謝にも大切な役目を果たしています。
コルチゾール値が急激に下がると、吐き気や腹痛、嘔吐、発熱、関節痛、食欲不振、急激な血圧の変化、衰弱、悪寒、発疹、心拍数が高く不安定などの多様な症状が出現します。
急性副腎皮質不全は、アジソンクリーゼとも呼ばれ、重症の緊急事態です。
 
医師は、血液検査により、副腎ホルモンの値が正常であるかどうかを調べます。
血液検査で、好酸球増多、低血糖、血中コルチゾールが低値であれば、急性副腎皮質不全の可能性が高まります。治療ですが、急性副腎不全が疑われるときは、血液検査の結果を待たず、直ちに、静脈あるいは筋肉注射でヒドロコルチゾンを補充します。
急性副腎不全を放置すれば、ショック状態に陥り、非常に危険な状態に至ります。
 
現在よく使用されている副腎皮質ホルモン製剤は、プレドニゾロン、ベタメタゾン、コートリルですが、幅広い作用があり、様々な症状の治療に使用されています。
 
?副腎皮質ホルモン剤の最大の特徴は、強力な抗炎症作用です。
各種の炎症の治療に用いられますが、作用が強力である反面、副作用も避けられないため、他の薬では抑えられない炎症、確実に抑えないと生命にかかわるといった急を要する炎症などに使用されるのが原則です。
 
?血管を緻密にして出血を防ぐ止血作用があるので、止血剤としても使用されます。
 
?体の抵抗力を増大させ、体に加わったストレスをはねのける蘇生作用があるので、大怪我、手術、大出血などでショック状態におちいったときの蘇生剤としても使用されます。
また、手術などは体にとって大きなストレスですから、体の抵抗力をつけることを目的として手術の前後に使用されます。
 
?体に備わっている免疫作用を低下させる免疫抑制作用があるので、臓器移植時に拒否反応を抑える目的で使用することもあります。
 
?血液中の好酸球という白血球の一種を減少させる抗好酸球作用があるので、好酸球が異常に増えてしまう白血病の治療剤としても使用されます。
 
?副腎皮質ホルモンが欠乏しているためにおこるアジソン病、下垂体機能低下症、急性副腎不全などに対して、副腎皮質ホルモンを補う目的で使用されています。
 




急性副腎皮質不全における後遺障害のポイント
 
1)交通事故では、肝損傷、腎臓破裂、副腎損傷となる複合損傷が予想されます。
その結果として、急性副腎皮質不全を発症されたとしても、副腎皮質ホルモン製剤の投与で改善が得られたときは、後遺障害は問題となりません。
 
2)しかし、吐き気や腹痛、嘔吐、発熱、関節痛、食欲不振、急激な血圧の変化、衰弱、悪寒、発疹、心拍数が高く不安定などの症状が続き、改善が得られず、副腎機能検査で異常が認められ、副腎皮質ホルモン剤の継続的投与が続くときは、検査結果と症状を後遺障害診断書にまとめ、後遺障害を申請することになります。
 
一定の改善が得られており、今すぐ後遺障害の申請が不要なときでも、将来の可能性については、「副腎機能障害が発現したる際は、甲乙間で別途協議するものとする。」 この文言を、示談書に表記しておく必要があります。


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